ゴム
各種ゴムの特性と特長について掲載しています。
ゴムの種類と特長
ウレタン | 機械的強度が優れていますが、熱・薬品に弱い素材です。 また、硬度のバリエーションが豊富です。 |
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ニトリル(NBR) | 耐摩耗性・耐油性が優れ、安価です。 耐候性が劣るため、直射日光があたる場所やオゾンを発生する電気装置の近くは避ける必要があります。 |
クロロプレン(CR) | 特性のバランスがよく、安価です。 |
エチレン(EPDM) | 耐候性が優れ、安価です。 耐油性・耐炎性は劣ります。 |
ブチル(IIR) | 耐候性・気密性が優れているため、空気入りタイヤのインナーチューブなどに使用されています。 耐油性・耐炎性は劣ります。 |
ふっ素(FPM) | ほとんどの特性が優れていますが、高価です。 |
シリコン(SI) | 耐熱性が優れていますが、機械的強度は劣ります。 また、やや高価です。 |
低弾性(ハネナイト®) | 衝撃吸収性が優れています。 耐熱性、耐寒性、耐油性は劣ります。 |
硬度の目安
ショアA95 | ゴルフボール | |
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ショアA90 | 野球の硬球 | |
ショアA70 | 軟球 | |
ショアA50 | プラスチック消しゴム | |
ショアA30 | 自転車のタイヤチューブ |
※ 硬度の許容範囲:記載値に対して±5です。
ゲルの硬度の表記について
アスカーCと針入度で表されています。
アスカーCとウレタン・ゴムの硬度表記で使用されているショアAの相関はおおよそ以下の表のようになります。
※ 針入度はJIS K2207に規格化されており、規定重量の針を試料中に垂直に進入させ、進入した長さにより試料の硬さを表します。
針入度の値は1/10mmが針入度1になります。(数値が大きいほど柔らかな材質になります。)
そのためショアやアスカーとの相対比較は困難となりますので比較表は掲載しておりません。
特性比較
特性グラフ
ウレタンゴム
ニトリルゴム
クロロプレンゴム
エチレンゴム
ブチルゴム
ふっ素ゴム
シリコンゴム
低弾性ゴム
特性順位
項目 | ||||||||
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機械的強度 | シリコンゴム | 低弾性ゴム | ブチルゴム | エチレンゴム | ニトリルゴム | ふっ素ゴム | クロロプレンゴム | ウレタンゴム |
耐候性 | ニトリルゴム | 低弾性ゴム | クロロプレンゴム | ウレタンゴム | ブチルゴム | シリコンゴム | エチレンゴム | ふっ素ゴム |
耐摩耗性 | シリコンゴム | 低弾性ゴム | ブチルゴム | エチレンゴム | クロロプレンゴム | ウレタンゴム | ニトリルゴム | ふっ素ゴム |
耐熱性 | 低弾性ゴム | ウレタンゴム | ニトリルゴム | クロロプレンゴム | ブチルゴム | エチレンゴム | シリコンゴム | ふっ素ゴム |
耐油性 | ブチルゴム | エチレンゴム | 低弾性ゴム | シリコンゴム | クロロプレンゴム | ウレタンゴム | ニトリルゴム | ふっ素ゴム |
ウレタン(エーテル系・エステル系)特性比較
特性 | エーテル系 (ショアA95・90) | エステル系 (ショアA70・50・30) | |
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引張強度 | ○ | ||
伸び | ○ | ||
引裂強度 | ○ | ||
反発弾性 | ○ | ||
耐摩耗性 | 滑り摩耗 | ○ | |
衝突摩耗 | ○ | ||
耐加水分解性 | ○ | ||
耐油性 | ○ | ||
強度 | ○ | ||
耐久性 | ○ | ||
耐酸、耐アルカリ性 | ○ |
素材ごとの特性値
引張り強さ、伸びの各特性値はJIS規格K6251に基づき試験を行っております。
項目(単位) | ニトリルゴム | クロロプレンゴム | エチレンゴム | ブチルゴム | ふっ素ゴム | シリコンゴム | 高強度 シリコンゴム | 低弾性ゴム | ||||
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比重(−) | 1.6 | 1.3 | 1.6 | 1.2 | 1.5 | 1.8 | 1.9 | 1.2 | 1.2 | 1.2 | 1.3 | 1.2 |
硬度(ショアA) | 70 | 50 | 65 | 65 | 65 | 80 | 60 | 70 | 50 | 50 | 57 | 32 |
引張り強さ(MPa) | 12.7 | 4.4 | 13.3 | 12.8 | 7.5 | 12.5 | 10.8 | 7.4 | 8.8 | 7.8 | 8.3 | 10.3 |
伸び(%) | 370 | 400 | 460 | 490 | 380 | 330 | 270 | 300 | 330 | 400 | 810 | 840 |
最高使用温度(℃) | 90 | 99 | 100 | 120 | 120 | 230 | 230 | 200 | 200 | 200 | 60 | 60 |
連続使用温度(℃) | 80 | 80 | 80 | 80 | 80 | 210 | 210 | 150 | 150 | 150 | 30 | 30 |
耐寒性(℃) | −10 | −10 | −35 | −40 | −30 | −10 | −10 | −70 | −70 | −50 | 10 | 10 |
耐薬品性比較
項目 | ウレタンゴム | ニトリルゴム | クロロプレンゴム | エチレンゴム | ブチルゴム | ふっ素ゴム | シリコンゴム | 低弾性ゴム |
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ガソリン軽油 | 優 | 優 | 良 | 不可 | 不可 | 優 | 可 – 良 | 可 |
水 | 可 | 優 | 優 | 優 | 優 | 優 | 良 | 可 |
強酸 | 不可 | 良 | 良 | 良 | 優 | 優 | 可 | 可 |
強アルカリ | 不可 | 良 | 優 | 優 | 優 | 不可 | 優 | 良 |
エーテル | 不可 | 不可 – 可 | 不可 – 可 | 良 | 可 – 良 | 不可 – 可 | 不可 – 可 | 可 |
ケトン | 不可 | 不可 | 不可 – 良 | 優 | 優 | 不可 | 良 | 不可 |
- 優:まったく、あるいはほとんど影響がない。
- 良:若干の影響はあるが、条件により十分使える。
- 可:なるべく使わない方がよい。
- 不可:激しい影響があるため、使用に適さない。
※ 上記の評価について、ミスミが保証、推奨するものはありません。材質選定に際し、目安としてご利用ください。
耐熱温度比較
ブルコラン®は長時間使用は80度、15分~20分程度の短時間使用で120度となります。
耐熱温度(℃)
ウレタンゴムの特性値
項目(単位) | ウレタンゴム | 低反発ウレ夕ン | 超低硬度ウレ夕ン | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
比重(-) | 1.13 | 1.13 | 1.2 | 1.15 | 1.2 | 1.03 | 1.02 |
硬度(ショアA) | 95 | 90 | 70 | 50 | 30 | 70 | 15 |
引張り強さ(MPa) | 44.1 | 44.6 | 31.3 | 27.4 | 18.5 | 11.8 | 0.6 |
伸び(%) | 400 | 530 | 650 | 690 | 600 | 250 | 445 |
耐熱性(℃) | 70 | 70 | 70 | 70 | 70 | 70 | 80 |
耐寒性(℃) | −40 | −20 | −20 | −20 | −20 | −20 | −40 |
※ 引張り強さ、伸びの各特性値はJIS規格K6251に基づき試験を行っております。
最新更新年月日: 2023年6月23日 ※ 本稿は21年6月時点の最新情報を掲載しています。 |