曲げ加工
2D図面加工品(金属部品(板金・シム))において、曲げ加工時に金型干渉が発生するケース、お見積もり時の部品設計の目安、加工限界の範囲について記載しています。
曲げ加工の干渉
正常時における曲げ加工前後のイメージと、金型干渉が発生する際のイメージを以下に図示します。
例1:正常に曲げ加工を実施可能なイメージ

例2:金型干渉が発生して、正常に曲げ加工を実施できないイメージ(製作不可)
注意
金型干渉が発生する場合は、お見積りできません。
コの字曲げ・段曲げ(Z曲げ)の設計参考情報
金型干渉が発生する、より具体的な代表例として、コの字曲げ、段曲げ(Z曲げ)が挙げられます。
見積を希望される場合、下記の加工条件を参考に設計をご検討ください。
部位例 | 加工条件 |
---|---|
![]() | 外寸Aと外寸CがA≦Cである時、内寸BはA以上となるように設計してください。 外寸Aと外寸Cは最小曲げ高さ以上に設計してください (曲げ加工の「加工限界の範囲」をご確認ください)。 |
![]() | 段曲げ高さ(X=A+(2×t))は、外寸Aに板厚 t の2倍を加算した寸法にて設計してください。 外寸A、外寸Cは最小曲げ高さ以上にて設計してください(曲げ加工の「加工限界の範囲」」をご確認ください)。 |
切り欠きと曲げの最小距離
曲げ加工は、ワーク(加工対象)をダイに載せた状態でパンチを上から押し当てて行います。
ワークがダイの両端に載らない場合など、曲げ加工ができない形状があります。


切り欠きと曲げの最小距離については、下記を推奨します。
限界値を下回った場合、製作不可となる可能性がありますので、下記の加工条件を参考に設計をご検討ください。
部位例 | 加工条件 |
---|---|
![]() | 板厚tに対して、hの限界値は下記を目安として設計してください。 0.8 ≦ t ≦2.0 のとき、限界値 = 5t 2.3 ≦ t ≦9.0 のとき、限界値 = 4t |
![]() | 板厚tに対して、bの限界値は下記を目安として設計してください。 0.8 ≦ t ≦2.0 のとき、限界値 = t 2.3 ≦ t ≦9.0 のとき、限界値 = 2t |
加工限界の範囲
最小曲げ高さ

材質分類 | 材質 | 板厚 | 限界値h |
---|---|---|---|
鉄・圧延鋼板 | SS400 SPCC SPHC | 0.8 | 4.2 |
1 | 4.3 | ||
1.2 | 5.5 | ||
1.6 | 6.8 | ||
2 | 8.2 | ||
2.3 | 9.4 | ||
3.2 | 13.3 | ||
4.5 | 17.4 | ||
6 | 23.5 | ||
9 | 33.5 | ||
SECC SEHC SGCC | 0.8 | 4.2 | |
1 | 4.3 | ||
1.2 | 4.5 | ||
1.6 | 5.8 | ||
2 | 7 | ||
2.3 | 8.3 | ||
3.2 | 11.1 | ||
ステンレス | SUS304 SUS316 SUS430 | 0.8 | 4.2 |
1 | 4.3 | ||
1.2 | 4.5 | ||
1.5 | 6 | ||
2 | 7.1 | ||
2.5 | 11.3 | ||
3 | 11.5 | ||
4 | 17.2 | ||
5 | 23.5 | ||
6 | 25 | ||
9 | 39 | ||
10 | 46.5 | ||
12 | 62 | ||
アルミ | A1050 A1100 A2017 A5052 | 0.8 | 4.2 |
1 | 4.3 | ||
1.2 | 4.5 | ||
1.5 | 6 | ||
2 | 7.1 | ||
2.5 | 10 | ||
3 | 11.5 | ||
4 | 17.2 | ||
5 | 17.9 | ||
6 | 23 |
鋭角曲げの最小角度
鋭角曲げの角度θ は 45°以上にしてください。
ただし、以下の材質・板厚についてはθの要件が異なりますので、ご確認ください。

材質分類 | 材質 | 板厚 | 鋭角曲げ角度 |
---|---|---|---|
鉄・圧延鋼板 | SS400 | 9 | θ ≧ 88° |
SPHC | 4.5 | ||
6 | |||
ステンレス | SUS304(2B) | 6 | θ ≧ 88° |
SUS304(No1) | 9 | ||
10 | |||
12 | |||
アルミ | A5052 | 2.5 | θ ≧ 60° |
3 | |||
4 | |||
5 | |||
6 | θ ≧ 88° |